長崎・グラバー園

 近代日本発祥の地 長崎グラバー園 説明文 銘板碑文等参考

グラバー園

 グラバー園のある南山手、隣接の東山手一帯は、日本でも最も古い洋館が多く残る貴重な場所で、国の重要伝統的建造物保存地区になっています。その中で、グラバー園は四季を通じ様々な花が咲き誇る緑に囲まれた、眼下に広がる長崎港を見下ろす絶景地、南山手の丘に立地しています。
 外国人居留地であったこの地に元々あった旧グラバー住宅・旧リンガー住宅・旧オルト住宅の3つの国指定重要文化財が保存されているほか、市内各所に点在していた6つの貴重な明治期の洋館を移築復元。昭和49年(1974)にグラバー園として開園した。異国情緒あふれる観光所として内外の人々に親しまれています。

旧グラバー住宅(昭和36年国指定重要文化財)

旧グラバー住宅

 文久3年(1863)の築、正面玄関を設けない独特のバンガロー風様式を残す日本最古の木造西洋風建築。もともとは逆L字形で周囲にベランダを設けていた。最初は接客用として使用していたが、のちに住居となり改築を加えていく。

噂のハートストーン(ハートの石) 恋が成就、幸せが舞い込む石?

グラバー邸前のハートの石
「旧グラバー住宅前の庭にあるハートの石
レストハウス前のハートの石
  レストハウス前のハートの石

 グラバー園内には石畳の中に埋め込まれた、数年前から噂になっている2つのハート型の石、噂のハートストーンがある。
 「カップルでこのハートの石に手を重ねると幸せになれる!」「意中の相手を想いハートの石に触れて願いをすれば相手に想いが伝わり恋が叶う!」など、恋愛に関する伝説のハートの石、訪れる多くの若い男女に大人気。
注意 石を傷つけないようお願いします。

トーマス・ブレイク・グラバー(1838~1911)

トーマス・ブレイク・グラバー(1838~1911)

 天保9年(1838)、英・スコットランド北部の小さな漁村生まれた。
 彼が21才の時に開港(安政6年(1859))と同時に上海経由で長崎へ来航し、三年後の1862年「グラバー商会」を設立。
 グラバーはお茶や海産物、また、時代の流れを見抜いていたグラバーは坂本龍馬をはじめとする、長州や薩摩などの藩士達と交流を深め、幕府や各藩に武器や船舶、機械類などを大量に販売し、莫大な富を得た。
 グラバーは、近代的ドック「小菅修船場(ソロバン・ドック)」の建設、高島炭鉱の開発、大浦海岸でわが国初の蒸気機関車「アイアン・デューク号」を走らせたり、海底ケーブルを長崎と高島間に敷設して電話の使用ができるようにしたりと、 さまざまな最新技術を日本に伝えた偉大な功労者である。また、「ジャパン・ブルワリ・カンパニー」(のちの「キリン麦酒株式会社」)が横浜に設立される際にも活躍した。明治3年(1870)グラバー商会は、諸藩の掛け売り回収ができずに倒産した。 グラバー自身は、岩崎弥太郎経営の三菱の顧問となって、明治30年(1897)には東京に移転し、裕福な余生を送った。
 明治41年(1908)、外国人として初めての勲二等旭日重光章を受ける。
 東京の自宅で明治44年(1911)、73歳の生涯を閉じたグラバーは、家族と共に長崎坂本国際墓地に埋葬されている。

旧リンガー邸(昭和41年国指定重要文化財)

旧リンガー邸

 明治2年(1869)トーマス・ブレイク・グラバーから借地権を譲り受けて建てる。
 外壁は石造りの木造住宅で、建物全体を「列柱吹き放し」と呼ばれる角石、御影石敷のベランダで囲まれている。南欧風バンガロー形式の建物で、明治初期洋風建築として貴重な建物となっています。
 邸内に展示されているオルゴールは、1890年~95年に、ドイツで作られたもので、現存している7枚のオルゴールディスクのうち5枚をデジタルデータ化し再生した音色を楽しむことができます。

フレデリック・リンガー(1840~1908)

フレデリック・リンガー

 英国出身、1864年頃に来日。1868年明治元年にホーム・リンガー商会を設立。お茶の輸出創始者オルトの製茶工場を買収、グラバーからも製茶業を引き受け長崎最大の製茶業者となる。
 製茶以外にも、製粉、ガス会社、発電所、長崎の上水道建設、漁業会社など幅広い事業を行いました。居留地の外国人と市民の交流の場、「内外倶楽部」を開設、また、グラバーの息子、倉場富三郎とともにわが国初のトロール漁法を導入し、「水産業の父」とも呼ばれ産業、経済に大いに貢献した。
 1898年に大浦海岸通りに建設した「ナガサキ・ホテル」は、当時アジアの一流ホテルとして名を馳せました。

旧オルト邸 (昭和47年国指定重要文化財)

旧オルト住宅

1865年(慶応元年)頃の築。
 長崎に現存する洋風建築の中では最大規模のもので、本格的洋風建築、ウィリアム・オルト旧邸を建築したのは、天草出身の大浦天主堂も手掛けた職人・小山秀之進。 ベランダの高い天井を支えているタスカン様式の列石柱が印象的で、三方にベランダをめぐらせた重厚な木造・外壁石積の建築。裏手には当時の厨房・倉庫、また、崖に造られた天然の貯蔵庫(年間を通して20℃前後)がそのまま残されています。
 ポーチ横には日本最古で最大の木香バラ(中国原種・樹齢100年を越す)が茂り、毎年4~5月に黄色い八重の小さな花を咲かせます。
★ オルト邸は結婚式やパーティ会場としても利用されている。

ウィリアム・ジョン・オルト(1840~1905) William John Alt

ウィリアム・ジョン・オルト

英国出身。1859年(19歳)長崎開港の年に長崎にわたり、1860年オルト商会を設立。日本初の製茶工場を造る、お茶以外にも海産物、船、兵器の売買も行う。
 オルトが日本でお茶の輸出を始めるきっかけとなったのが、長崎の大浦お慶とのお茶の取引であった。大浦お慶と提携して九州一円から茶を買い求めアメリカ方面に輸出、日本の緑茶を世界に広めた。わが国に最初の蒸気船を売却する。
 オルトの妻エリザベスは、「長崎は本当に美しいところで、これ以上美しいところを私は知らない」と後の回想録に当時の長崎の印象をこう書き残しています。
1871年、健康上の理由で帰国。

旧ウォーカー邸

旧ウォーカー邸

明治中期の建築。大浦天主堂の近くにあったものを移築。
 日本様式を取り入れた木造平屋寄棟造り洋館。建設当時は西側の出窓や東側のベランダはなく、シンプルな造りだった。
 この旧ウォーカー邸は、初期の日本海運業界に多大な功績を残した英国人ロバート・ネール・ウォーカーの次男、ロバート・ウォーカー・ジュニアが1915年(大正4)南山手28番乙の建物を購入した旧邸。
 ウォーカー・ジュニアの妻・メーベル重子が、旧邸の一部を長崎市に寄贈し、1974年(昭和49)、この場所に移築された。

ロバート・ネール・ウォーカー(1851~1941)Robert N Walker

ロバート・ネール・ウォーカー

英国メリーポート出身。1873年外国船の船長として来日、1876年日本政府に甲種船長の登録をする。初期の日本の海運業に大きな業績を残した。
 1898年貨物取扱い、船舶運輸代理店「ウォーカー商会」を設立、、のちに、わが国初の清涼飲料水会社を設立、バンザイサイダーやバンザイレモネードなどを製造販売した。
 1913年に長男と次男(ロバート・ウォーカー・Jr)に商会を譲り、帰国

旧三菱第2ドックハウス

旧三菱第2ドックハウス

1896年(明治29年)、三菱重工長崎造船所第2ドックの側に建てられていた洋館。昭和47年、グラバー園に移築。
 明治期建築の典型的スタイルの木造の2階建て。当時は修繕船の乗組員の休憩宿泊施設として利用されていました。
左右対称のシンプルな造り、各部屋に暖炉がある。
★ ドックハウスから眺める長崎港は最高!

旧長崎高商表門衛所

旧長崎高商表門衛所

1905年(明治38年)の建築。
 東京、神戸につぐ高等商業学校、長崎高商(現長崎大学経済学部)創立時の遺構です。モダンな装飾に障子の間と、和洋折衷の造りになっています。
表門衛所は、創立から昭和50年まで活躍した。

旧長崎地方裁判所長官舎

旧長崎地方裁判所長官舎

明治16年の建築。
 元長崎会所跡(長崎歴史博物館付近)に建っていたもので、居留地外に建てられた洋風の官庁建築物としては、長崎に残るただ一つ現存する貴重な建物です。
中には畳敷きの部屋もあった。当時居留地の外でも西洋化が進んでいたことが伺える。

旧自由亭

旧自由亭

1878年(明治11年)の建築。昭和49年にグラバー園に移築。
 この建物は1878年に西洋料理店「自由亭」として長崎馬町に新築開業、屋根に菊の紋章が残る長崎の「三大洋食屋」のひとつで、 西洋料理の先進地・長崎で草野丈吉が建てた店です。内外の貴賓、地元高官などの社交の場に使われていた。
★ オランダ人が考えたダッチコーヒーが楽しめる。

グラバー園アクセス

 (第1ゲート)大浦天主堂下電停(バス停)から徒歩約7分。
 (第2ゲート)石橋電停(バス停)から徒歩約3分のグラバースカイロードを利用して約5分。
路面電車:長崎駅前電停~正覚寺下(1番系)行きに乗車、築町電停下車(約10分)・築町電停で乗継券をもらい下車。石橋(5番系)行きに乗り換え、大浦天主堂下電停下車(約7分)、徒歩7分
:長崎駅前から大浦天主堂下電停まで約10分  駐車場:なし (隣接地には有料大駐車場あり)
所在地:長崎県長崎市南山手町8-1
開園時間: 8:00~18:00(※ 季節により変更することがあります。下記はめやす期間)
 4月26日~5月8日(8:00~21:30)7月16日~10月10日(8:00~21:30)12月23日~12月25日(8:00~20:00)
入園料金:個人:大人610円/高校生300円/小中学生180円 団体(15人以上):大人510円/高校生240円/小中学生140円
グラバー園 マップ

おすすめアクセス

 楽にエレベーターで入園できるアクセス、グラバースカイロードで第2ゲートへ直行!
 石橋電停から徒歩約3分。南山手の斜面地を運行する2つのエレベーター『グラバースカイロード』(斜行エレベーター(傾斜角度約30度)・垂直エレベーター)へ乗り込むと、グラバー園最上部・旧三菱第2ドックハウス横にある第2ゲートへ直行することができる。